磯城・城(読み)しき

精選版 日本国語大辞典 「磯城・城」の意味・読み・例文・類語

し‐き【磯城・城】

[1] 〘名〙
大化前代において、石で堅固に築いた城。とりで。
書紀(720)欽明九年一〇月(北野本訓)「三百七十の人を百済に遣して城(シキ)を得爾辛に助築かしむ」
② 周囲を岩石でめぐらした祭場。
古語拾遺(嘉祿本訓)(807)「磯城(シキ)神籬(ひほろき)を立てて、〈略〉斎(いは)ひ奉ら令む」
[2] 大和国(奈良県)北西部の地名。大化前代の政治的中心地の一つ。磯城県(しきのあがた)が置かれ、孝霊・雄略・敏達など多くの天皇が都を置いたと伝承される。令制下では、城上(しきのかみ)(式上)・城下(しきのしも)(式下)の二郡に分かれたが、明治二九年(一八九六)、十市(とおち・といち)郡と合して磯城郡となった。現在は、大部分が桜井市および天理・橿原両市の一部となる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android