普及版 字通 「矯(漢字)」の読み・字形・画数・意味
矯
常用漢字 17画
[字訓] ためる・いつわる・つよい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は喬(きよう)。〔説文〕五下に「(や)を揉(た)むる箝(はめき)なり」とあり、矢がらをただす意とする。を正すには寅(いん)の字があり、矢の左右に手を加える形で、寅正の意に用いる。矯には曲げる意があり、〔書、呂刑〕に「奪攘(だつじやう)矯虔(けうけん)」(上命と偽って奪う)、〔書、仲之誥〕「上天を矯誣(けうふ)して以て命を下に布く」、〔左伝、昭二十六年〕「先王を矯誣す」のように、事実を偽り枉げる意に用い、寅正とはまた異なる意がある。喬は高楼の屋上に呪飾としての表木を立てる形。高くして驕る意があり、矯とは、強い力で矯め直すことをいう。〔詩、魯頌、水〕に「矯矯たる虎臣 (宮)に在りて馘(くわく)を獻ず」とあり、矯武勇の意に用いる。
[訓義]
1. ためる、矢をまっすぐにする、ためき。
2. いつわる、力を加えて改める、みだる、もとる、さからう。
3. あげる、たかくする。
4. つよい、たかぶる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕矯 アザムク・マサシ・カタマシク・タム・カザル・ツク・タダス・オコル・イツハリ・アグ・アカル・タケシ
[語系]
矯・驕kiは同声。khi、高k、翹giも、みな声義に通ずるところがある。
[熟語]
矯異▶・矯易▶・矯枉▶・矯介▶・矯革▶・矯▶・矯鑒▶・矯偽▶・矯挙▶・矯矯▶・矯激▶・矯▶・矯潔▶・矯虔▶・矯健▶・矯言▶・矯抗▶・矯亢▶・矯詐▶・矯罪▶・矯殺▶・矯士▶・矯矢▶・矯思▶・矯失▶・矯首▶・矯手▶・矯揉▶・矯▶・矯称▶・矯詔▶・矯上▶・矯情▶・矯飾▶・矯任▶・矯世▶・矯正▶・矯制▶・矯性▶・矯然▶・矯俗▶・矯奪▶・矯誕▶・矯直▶・矯勅▶・矯誣▶・矯風▶・矯復▶・矯払▶・矯弊▶・矯摩▶・矯命▶・矯妄▶・矯抑▶・矯翼▶・矯戮▶・矯▶・矯令▶・矯励▶
[下接語]
違矯・姦矯・奇矯・矯・匡矯・驚矯・屈矯・騫矯・抗矯・自矯・清矯・騰矯・誣矯・紛矯・夭矯
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報