目付・目附(読み)めつけ

精選版 日本国語大辞典 「目付・目附」の意味・読み・例文・類語

め‐つけ【目付・目附】

〘名〙
① 室町時代から江戸時代にあった武家の職名。
(イ) 室町時代、幕府侍所(さむらいどころ)の所司代に属し、追捕検断などをつかさどったもの。
※康富記‐宝徳三年(1451)九月九日「当管領畠山被官人木沢捕京極〈侍所〉召仕目附、不一往相尋誅了」
(ロ) 戦国・織豊時代、諸士の非違を探索し、地方に派遣している武将の施政監察し、また他国の形勢事情の密偵にもあたり、戦陣にあっては将士の勇怯、敵情の偵知に従ったもの。横目(よこめ)
※信長公記(1598)八「両三人をば、柴田目付として〈略〉善悪をば柴田かたより告越すべく候」
(ハ) 江戸幕府で、若年寄の支配に属し、旗本御家人の監察をはじめ、江戸城内の巡検、火災の予防、諸役人の勤怠の調査、礼式、規則の監察、将軍の供奉、評定所裁判の陪席などに従ったもの。配下に徒(かち)目付、小人目付がいた。類似の任務を持つ目付は諸藩にもいた。
※禁令考‐前集・第二・巻一六・寛政元年(1789)正月「御目付と申候者御政事之御役にて、御作法第一に相守候儀に候」
② こっそり監視すること。また、その人。監察役。また、一般に監視、監督をする役まわりの人をもいう。
大乗院寺社雑事記‐文明二年(1470)四月一四日「如何様に候目付をも付候て」
※上言(1754)郡官曲直「足軽両人づつ相附られ歩刈の目附に相見得候処」
③ めじるし。めあて。
咄本醒睡笑(1628)一「屋根の上に鳶の二つありしを目附けにしたりしが」

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