百沢道(読み)ひやくざわみち

日本歴史地名大系 「百沢道」の解説

百沢道
ひやくざわみち

弘前城下(現弘前市)から中津軽郡の北部を西に向かって岩木山の東南麓に至り、さらに百沢(現岩木町)を経て南西麓のだけ(同町)に達する街道。百沢まで約一〇・六キロ、岳まで約二〇・四キロの道程。慶安二年(一六四九)津軽領分大道小道磯辺路并船路之帳(八木橋文庫蔵)西根にしね小道として「弘前より駒越村迄八町、駒越より高屋村迄二十八町、高屋より葛原村迄二十八町、葛原より百沢村迄一里、百沢より嶽之湯本迄二里半、自是者山出かたなし」とあり、さらに「岩木川駒越渡広三十二間、深さ二尺四寸五寸、歩渡、水増ニハ舟渡、大水之時ハ船にても不自由」とある。元禄七年(一六九四)の御国中道程之図(国立史料館蔵)によれば五代ごだい村から宮地みやじ村を通って新法師しんぼうし村に至り、百沢村・枯木平かれきだい(いずれも現岩木町)を経て松代まつだい(現西津軽郡鰺ヶ沢町)まで延びている。承応二年(一六五三)津軽領道程帳(市立弘前図書館蔵)脇道、文政四年(一八二一)の御郡中道法并駄賃御定帳(八木橋文庫蔵)に百沢通とある。また要記秘鑑(市立弘前図書館蔵)には高岡たかおか街道とあり、途中の目的地の名を冠して賀田よした道・目屋めや道などともよばれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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