精選版 日本国語大辞典 「白木」の意味・読み・例文・類語
しら‐き【白木】
〘名〙
① 削っただけの、木地のままの木材。しろき。
※大和法隆寺文書‐天平宝字五年(761)法隆寺縁起并資財帳「合白木高座弐具」
※古今著聞集(1254)三「左京大夫重長朝臣、六位の青色袍をかりてきて、白木の御倚子につきて、主上の御まねをぞしたりける」
② 産地で大木を小割にした材、榑木(くれき)・板子の類をいう。素木とも書く。
※万留書‐元祿二年(1689)「従木曾前々白木五千駄被出来候処、先年願に付、木廻しを以檜小板子に切替」
③ 「しらき(白木)の弓」の略。
※尺素往来(1439‐64)「節巻・繁藤・赤柒・黒柒・白木・村
・塗籠藤・十所藤・并側白木等作二懸于坂絃関絃一。都合百張」

④ (形動) 何もつけないで生地のままなこと。転じて、まだ物事に熟達していないこと。また、そのさま。
※玉塵抄(1563)七「そめんの白きのかをがすぐれたぞ」
⑤ トウダイグサ科の落葉小高木。本州、四国、九州、沖縄の山地および朝鮮、中国に生える。高さ三~五メートル。若枝と葉柄は紅紫色を帯びる。葉は短い柄があって互生し、倒卵状楕円形で先はとがり、長さ六~一五センチメートル。托葉は披針形。初夏、枝先に長さ約一〇センチメートルの総状花序を出し、上部に黄色の多数の雄花、下部に数個の雌花をつける。果実は径約一センチメートルの三角状扁球形で、熟すと三裂して三個の淡黄色で黒斑のある球形の種子を出し、白い糸で下垂する。種子は食べられ、また灯油や髪油の原料ともされた。材は白色で細工物、薪炭などとする。ひろはしらき。こくどのかし。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
⑥ ⇒しろき(白木)
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