田上庄(読み)たかみのしよう

日本歴史地名大系 「田上庄」の解説

田上庄
たかみのしよう

和名抄」下道郡田上郷の郷名を継ぐものか。遺称地は不明であるが、新本しんぽん近世には新本川左岸を新庄右岸本庄と称して時には各々村を付けて記されている。当庄はかなり早い時期に本庄・新庄が分立する。新本をその名残と考え、新本川上流域の新本一帯に推定される。承安元年(一一七一)一二月の官宣旨写(石清水八幡宮記録)に「田上本庄」とみえ、山城石清水いわしみず八幡宮宝塔院院主成清の訴えを認め、当庄を含む一二ヵ庄に対する領主らの年貢・所役対捍を止め、院家の命に従うべきであるとしている。当庄は寛仁(一〇一七―二一)の頃、八幡宮寺領のうちから二月六日の仲哀天皇国忌用途を捻出するため便補の封戸として同院に寄進されたが、代々の院主が、院主職とは別に院領を女子に譲ったため私領化していたという(養和元年一二月「後白河院庁下文写」石清水八幡宮記録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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