瓦曾根河岸(読み)かわらそねがし

日本歴史地名大系 「瓦曾根河岸」の解説

瓦曾根河岸
かわらそねがし

[現在地名]越谷市瓦曾根一丁目・西方・相模町

瓦曾根溜井まつ土手に設けられた河岸場。享保八年(一七二三)西方にしかた村領分に瓦曾根村の住人が河岸場を取立て西方河岸と称したが、安永二年(一七七三)瓦曾根村が西方河岸の近く瓦曾根領分に上の河岸と称して河岸場を開設した。西方河岸問屋はこれに抗議して出入となり、数年間訴訟が続けられた。この間安永三年に西方河岸は運上金賦課の河岸場とされていた。この河岸争論は結局西方・瓦曾根両河岸の合併ということで示談が成立し、通称瓦曾根河岸と称された。なおこれより先の延享元年(一七四四)八月、岩槻城主永井氏は年貢米津出しのための米蔵を瓦曾根村の了解のもとに河岸畑に建てたが、西方村ではそこは将軍家鷹場の西方村領分だとして、その取壊しを紀伊徳川家鷹場領分だと主張する瓦曾根村に迫った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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