班昭(読み)ハンショウ

デジタル大辞泉 「班昭」の意味・読み・例文・類語

はん‐しょう〔‐セウ〕【班昭】

中国後漢文人。扶風安陵(陝西せんせい省)の人。班固班超の妹。曹世叔に嫁したが、夫の死後和帝の詔により、兄の「漢書編纂を引き継いで八表と天文志を完成した。「女誡」7編、「東征賦」を著す。曹大姑そうたいこ生没年未詳。

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精選版 日本国語大辞典 「班昭」の意味・読み・例文・類語

はん‐しょう ‥セウ【班昭】

中国、後漢の学者。字は恵姫、また恵班。班固、班超の妹。曹世叔に嫁し、夫の死後、宮廷に迎えられて皇后貴人等の師となり、曹大家(そうたいこ)と称された。兄班固の志をついで「漢書」を完成させた。著に「女誡」。(四九頃‐一二〇頃

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「班昭」の意味・わかりやすい解説

班昭
はんしょう

生没年不詳。中国、後漢(ごかん)の学者。歴史家班彪(はんぴょう)(3―54)の娘、班固の妹、曹世叔(そうせいしゅく)の妻。兄の班固が『漢書(かんじょ)』を編纂(へんさん)したが、表(ひょう)と天文志の部分を残して未完成のまま死んだので、その遺志を継いで完成させた。また和帝の命で、皇后、貴人たちの教育のために宮中に招かれ、曹大家(そうたいこ)と称された。著作の『女誡(じょかい)』7篇(へん)には、女性の生きるべき道が7か条にまとめられている。それには、卑しく弱い者であること、夫は妻を御し、妻は夫に仕えること、慎しみ深く行動することなどとある。

[鶴間和幸 2016年1月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「班昭」の意味・わかりやすい解説

班昭 (はんしょう)
Bān Zhāo

中国,後漢初期の女流学者。生没年不詳。父は班彪はんぴよう),兄に班固班超がいる。夫の曹世叔の死後,和帝に召されて皇后や女官たちの教育に当たり,曹大家(そうたいこ)とよばれた。〈大家〉は宮中で行われた女性の尊称。班固が書きのこした《漢書》の表と天文志を執筆し,また《漢書》の難読の句を馬融に教授した。婦女子の日常生活の心得を説いた《女誡》は《女論語》などとあわせて〈女四書〉とよばれ,旧中国社会で尊ばれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「班昭」の意味・わかりやすい解説

班昭
はんしょう
Ban Zhao; Pan Chao

[生]建武21(45)
[没]元初4(117)?
中国,後漢の才女。曹大家 (そうだいこ) とも呼ばれる。班固班超の妹で,博学の名が高く,兄の死後その著『漢書』を完成させた。『漢書』のうち,8編の『表』と『天文志』とが彼女の手になる。著書『女誡』 (7編) ,『東征賦』。

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