玉緒・魂緒(読み)たまのお

精選版 日本国語大辞典 「玉緒・魂緒」の意味・読み・例文・類語

たま‐の‐お ‥を【玉緒・魂緒】

〘名〙
① 首飾りの美しい宝玉をつらぬき通す紐。または、その宝玉の首飾り。玉飾り。中古以後には、転じて、草木におりた露のたとえとして用いられるようになる。
万葉(8C後)二〇・四四九三「始春の初子(はつね)の今日の玉箒(たまばはき)手に執(と)るからにゆらく多麻能乎(タマノヲ)
いのち。生命。「玉」は「魂(たま)」に通じるところから、霊魂が身から離れないようつなぎとめておく紐の意から転じていう。息の緒。
曾丹集(11C初か)「みだれつつたえなばかなし冬のよをわがひとりぬるたまのおよわみ」
※俳諧・父の終焉日記(1801)五月三日「いまだ玉の緒のあまりも、此度は元の人になり給へと」
③ 江戸時代、仏を拝む際に用いる数珠(じゅず)
※浮世草子・好色五人女(1686)四「母人の珠数袋をあけて、願ひの玉(タマ)のを手にかけ」
④ 植物「みせばや(見━)」の異名。《季・秋》 〔日本植物名彙(1884)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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