獅子浜村(読み)ししはまむら

日本歴史地名大系 「獅子浜村」の解説

獅子浜村
ししはまむら

[現在地名]沼津市獅子浜

馬込まごめ村の南、鷲頭わしず山の南西麓に位置する漁村集落は西側の海(駿河湾)と鷲頭山の山裾との間の南北に狭く細長い平坦地に形成された。大久保おおくぼ山を隔てて南東江浦えのうら村。中世には口野くちの(口野五ヵ村)のうちで、鷲頭山の西麓には戦国時代末期の獅子浜城跡がある。戦国期に今川氏や小田原北条氏に属して口野郷の一帯に勢力があった植松氏は江戸時代には津元となり、代々名主を勤めている(「静浦村誌」など)

〔中世〕

永禄六年(一五六三)四月三日葛山氏元は「獅子浜北・南百姓中」に対してイルカを見付けしだい捕獲するように命じている(「葛山氏元朱印状」植松文書、以下断りのない限り同文書)。この頃当地は北分と南分に分れていたと考えられ、同八年一月二一日の元澄判物(久住文書)によると、北分百姓たちが一郷役である立司肴銭を半郷の北分に課せられたことに対して訴訟を起こしている。同九年一二月七日、氏元は口野五ヵ村に陣夫の負担を命じているが、当地では陣夫一人役を町田甚十郎に三分の二、「橋本内ミ」に三分の一差出すことになっていた(葛山氏元朱印状)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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