沼津市(読み)ヌマヅシ

デジタル大辞泉 「沼津市」の意味・読み・例文・類語

ぬまづ‐し【沼津市】

沼津

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「沼津市」の解説

沼津市
ぬまづし

面積:一五二・一六平方キロ

県東部に位置し、東は駿東すんとう清水しみず町・三島市・田方たがた函南かんなみ町・伊豆長岡いずながおか町、西から北西は富士市、南から南東は田方郡戸田へだ村・修善寺しゆぜんじ町、北から北東は駿東郡長泉ながいずみ町に接する。伊豆半島の西の基部にあたる市域は、駿河湾の東奥部を取囲むように「つ」の字状に展開している。北には越前えちぜん(山頂は富士市と裾野市の境界)など五つの高峰からなる愛鷹あしたか山がそびえ、市街地東方の低い山並は海岸線に沿って南へ続き、やがて伊豆連山に連なっている。天城あまぎ山系に発する狩野かの川は、北駿地域を流下する黄瀬きせ川と市域の東端で合流、中心街を貫流して、ゆるやかに駿河湾に注いでいる。狩野川河口から西の富士川河口までは両川の土砂の堆積によって砂丘(千本浜砂丘・東田子ノ浦砂丘)が形成される。愛鷹山と砂丘地との間はかつて浮島うきしま沼とよばれた沼沢地であったが、現在はその名残をみせる低湿地帯が広がり、ここを東から西にぬま川が流れている。狩野川河口の南に続く海岸線は曲折が多く、波静かな内浦うちうら湾を抱き、大瀬おせ崎まで美しい景色を随所にみせ、この海岸部は富士箱根伊豆国立公園に指定されている。

市域は古くから海陸の交通の要衝として発展してきた。現在も北部の愛鷹山麓から南の海岸部にかけて、順に東名高速道路・JR東海道新幹線、主要地方道三島―富士線(根方街道)・国道一号・JR東海道本線、県道一六三号(旧東海道)などが東西に通り、南北路としては北上して御殿場市方面に向かう国道二四六号、南下して伊豆長岡町方面に向かう同四一四号などがある。市名は近世の沼津町(沼津宿)を継承する。

〔原始〕

市街地の大半は、およそ三千年前に形成されたとされる黄瀬川きせがわ扇状地上に立地している。したがって市街地にこれより古い遺跡は存在しない。一方、愛鷹山は遺跡の宝庫として知られ、とくに旧石器時代・縄文時代の遺跡が集中している。現状では最初の静岡県人、また県内最初の縄文人もこの山中に生活拠点を構えた可能性がある。弥生時代になると遺跡は市街地にも、また愛鷹山の山中にも拡大される。とくに弥生時代後半の遺跡は愛鷹山に集中する傾向にあり、遺跡の規模も低地(市街地)のものに比べて概して大きい。遺跡が愛鷹山に集中したり、その規模が大きかったりする理由はいま一つ明らかでないが、あるいは低地の米づくりだけではムラの生活が成り立たず、山中での畑作や狩猟、採取による生活を主としていた可能性も考えられる。

沼津市
ぬまづし

2005年4月1日:沼津市が田方郡戸田村を編入
【戸田村】静岡県:田方郡
【沼津市】静岡県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沼津市」の意味・わかりやすい解説

沼津〔市〕
ぬまづ

静岡県東部,伊豆半島の基部,愛鷹山南斜面から駿河湾岸に広がる市。 1923年市制。 1944年片浜村,金岡村,大岡村,静浦村の4村,1955年愛鷹村,大平村,内浦村,西浦村の4村,1968年原町,2005年戸田村をそれぞれ編入。中心市街地の沼津は狩野川の河口にあり,戦国時代には武田勝頼が三枚橋城を築城。江戸時代には水野氏の城下町と東海道の宿場町を兼ねて発展。 1889年東海道本線沼津駅開設により繊維工業が発達。近年は繊維のほか機械,電気機器などの工場が立地する。百貨店,大型商店が立ち並び,県東部の商工業の中心地。沼津港は西伊豆の物資集散地,伊豆観光の基地。千本松原,三津 (みと) ,大瀬崎などの景勝地がある。西部の原地区はかつての浮島ヶ原の低湿地で,集落は海岸の砂丘と愛鷹山の山麓に発達。休場遺跡長浜城跡興国寺城跡 (いずれも国指定史跡) がある。大瀬崎のビャクシン樹林は国の天然記念物。北東部の丘陵地にはゴルフ場が多い。一部は富士箱根伊豆国立公園に属する。 JR東海道本線,御殿場線,国道1号線などが通じ,東名高速道路のインターチェンジがある。面積 186.96km2。人口 18万9386(2020)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android