煙返（読み）けむりがえし

精選版 日本国語大辞典

けむり‐がえし ‥がへし【煙返】

〘名〙

① 煙がよどむようにこしらえた香炉の一種。寄せ口の香炉。寄せ口。けぶりがえし。

※俳諧・江戸新道（1678）春「花雲り煙返しや青(セイ)地の山〈幸次〉」

② 土蔵の入り口で、戸の内側の下方にある石。けむがえし。

③ 民家の土間のかまどの前上方にあって、煙が他にひろがるのを防ぐために、梁(はり)から上の部分に造った壁。

※歌舞伎・戻橋脊御摂（1813）序幕「上の方障子屋体、下手惣銅壺の竈(へっつひ)、水瓶、台所道具、煙(ケム)り返(ガヘ)し」

出典　精選版 日本国語大辞典