煎付・炒付(読み)いりつく

精選版 日本国語大辞典 「煎付・炒付」の意味・読み・例文・類語

いり‐つ・く【煎付・炒付】

[1] 〘自カ四〙 物が煮つめられて水気がなくなる。煮つまる。また、食べ物が油などであぶられて焦げつくようになる。気持がいらだつような音声、様子などのたとえにも用いられる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※それから(1909)〈夏目漱石〉一四「代助の頭には今見た光景ばかりが煎(イ)り付(ツ)く様に踴(をど)ってゐた」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒いりつける(煎付)

いり‐つけ【煎付・炒付】

〘名〙 煎り付けること。また、煎った食べ物。煮つめた食べ物。多く魚料理にいう。〔文明本節用集(室町中)〕
※歌舞伎・霜夜鐘十字辻筮(1880)五幕「『薬は煎じ詰りはせぬか』『〈略〉是は大変、煎附(イリツケ)に成りました』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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