無沙汰・不沙汰(読み)ぶさた

精選版 日本国語大辞典 「無沙汰・不沙汰」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐さた【無沙汰・不沙汰】

〘名〙 (形動)
処置指図などをしないでおくこと。そのままにほうっておくこと。また、そのさま。
※殿暦‐康和五年(1103)正月一六日「他公卿等皆悉遅参、世間事近来如此、極不便歟、是依無沙汰也」
② 事情にうといこと。注意をはらわないこと。また、そのさま。無関心。迂闊(うかつ)
※米沢本沙石集(1283)五本「世間の事は、無下(むげに)無沙汰(ブサタ)也」
③ すべきことを十分にしないこと。おろそかにすること。なまけること。また、そのさま。いいかげん。粗略。怠慢。
古今著聞集(1254)一六「近比、無沙汰の智了房といふものありけり。能書にてなむ侍ける」
④ 訪問や音信などをしないでいること。長い間挨拶や便りを怠って礼儀に反すること。また、そのさま。不義理。
平治(1220頃か)下「公私の忩劇に思ひわすれ、今も無沙汰なり」
⑤ ことわりなしに物事をすること。勝手に行なうこと。また、そのさま。無断。
歌舞伎綴合於伝仮名書高橋お伝)(1879)序幕「道ならぬとは知りながら、無沙汰(ブサタ)に家を出ましたわいなあ」

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