灌頂歴名(読み)かんちょうれきめい

精選版 日本国語大辞典 「灌頂歴名」の意味・読み・例文・類語

かんちょうれきめい クヮンチャウ‥【灌頂歴名】

(「かんぢょうれきめい」とも) 弘法大師空海筆の灌頂受者名簿。一巻弘仁三年(八一二)、真言密教最初の灌頂を行なった宗教史上重要な文献で、書道手本としても名蹟一つに数えられている。国宝

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「灌頂歴名」の解説

灌頂歴名
かんじょうれきみょう

灌頂記」とも。812年(弘仁3)と翌年,高雄山寺(現,京都市の神護寺)で空海が,求法の人々に真言の灌頂を授けた折の受法者名簿。大部分は空海の書。素紙の巻子本。受法者名の下に,各人が学んだ寺名・得仏名が注記される。のべ166人が記され,そのなかに最澄や和気真綱(わけのまつな)・仲世兄弟の名があり注目される。その書は,唐の顔真卿(がんしんけい)の影響が強くみられるものの,にわかの間に書かれ空海風の真髄が発揮されている。神護寺蔵。縦28.8cm,横266.1cm。国宝。

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