湾流【わんりゅう】
ガルフ・ストリームGulf Streamといい,メキシコ湾流とも。北大西洋の西端をほぼ北東方に流れる海流。狭義には米国東岸,ノース・カロライナ州のハタラス岬沖合でフロリダ海流が北米沿岸を離れるところから始まり,ニューファンドランド沖合で北大西洋海流に移行するあたりまで。広義にはメキシコ湾からフロリダ海峡を抜けて米国東岸に沿って北上するフロリダ海流,北赤道海流がアンティル諸島の東方で北流してフロリダ海流に合流するアンティル海流,および北大西洋海流を含めるが,この場合には湾流系と呼ぶことが多い。太平洋における黒潮に匹敵する強大な海流で,幅のせまい4〜5ノットの強流帯があり,流量は毎秒8000万tと推測される。暖流で,南・北赤道海流を源流とし,北大西洋中央水(サルガッソー海水)からも高温・高塩分の水が流入しており,膨大な熱量と水量を遠く英国西方から北極海まで運び,ヨーロッパの気候の温暖化に大きな役割を果たしている。
→関連項目イギリス|海流|バレンツ海|メキシコ湾
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湾流
北大西洋の亜熱帯循環の西岸境界流がハッテラス岬を過ぎ、岸を離れて東方に流れる太平洋の黒潮続流にあたる部分を指す。黒潮にあたる岸沿いの部分をフロリ ダ海流と呼ぶが、両者を併せて(広義の)湾流あるいは湾流系と呼ぶこともある。湾という言葉は、かって湾流の成因をメキシコ湾に求めたことからきている が、現在では慣習的に用いられており、地理学等で時に用いられているメキシコ湾流という訳語は海洋学では用いない。 (永田)
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わんりゅう【湾流 Gulf Stream】
北アメリカ大陸の東岸フロリダ海流に源を発し,ハタラス岬沖合からニューファンドランド半島の南まで北東に向かって流れて北大西洋海流へと移行する大海流。メキシコ湾流,ガルフ・ストリームともいう。フロリダ海流とアンティル海流も含めて湾流といわれたこともあったが,その場合は湾流系と呼んで区別するのが,現在の慣用である。大西洋の西岸強化流(海洋大循環)であり,太平洋における黒潮に相当する。 コロンブスの航海時の水先案内人アラミノスAntonio de Alaminosは1513年メキシコ湾を発見したが,同時にフロリダ海峡に達して遡行できないほどの強い大海流に遭遇した。
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デジタル大辞泉
「湾流」の意味・読み・例文・類語
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