亜熱帯循環(読み)あねったいじゅんかん(英語表記)Subtropical Gyre

海の事典 「亜熱帯循環」の解説

亜熱帯循環

各大洋の亜熱帯域に存在する高気圧性の循環。太平洋では北赤道海流黒潮黒潮続流北太平洋海流カリフォルニア海流からなる。自転している地球上では 水は全体として風に対して直角右向き(北半球)に運ばれるが、循環の北縁を吹く偏西風と南縁を吹く北東貿易風により、循環の中央部の水位が高められ、海流地衡流として海面の等高線(等圧面)に沿ってその周りを巡る。全ての亜熱帯循環は、北太平洋の黒潮や北大西洋の湾流の様に、西岸沿いに高緯度に向かう部 分に強大な海流を持つ。これはコリオリの力の働き方の緯度変化の効果(β効果)によるもので、西岸強化の現象と呼ばれる。 (永田

出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の亜熱帯循環の言及

【海洋大循環】より

…一見してこのモデルにおいて大循環はそれぞれの風帯に対応していくつかの輪を構成していることがわかる。まず一番北側に反時計回りの亜寒帯循環があり,その南には亜熱帯循環が時計回りに流れている。また赤道をはさんでその両側に幅の狭い循環も見られる。…

【海流】より

…例えば北半球の太平洋にはほぼ中央に北赤道海流が西向きに流れ,それに続いて日本近海を黒潮,その先に北太平洋海流が東流してそれが北アメリカ西岸のカリフォルニア海流となって南下し,さらに北赤道海流の東端に連なって一巡する。これが亜熱帯循環と呼ばれるものであるが,大西洋においても同様に北赤道海流,湾流,北大西洋海流,カナリア海流がやはり時計回りの循環を構成している。 冬季と夏季の海流を比べてみると,インド洋において海流の方向が逆転することがわかる。…

※「亜熱帯循環」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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