湾月町(読み)わんげつちよう

日本歴史地名大系 「湾月町」の解説

湾月町
わんげつちよう

[現在地名]厚岸郡厚岸町湾月町

明治六年(一九七三)から同三三年まで存続した厚岸郡の町。厚岸市街を構成する。前近代にアッケシ場所の会所のあったヌサウシを含む地域と思われ、厚岸市街の南、バラサン山北東側にあり、北西厚岸湾に面する(状況報文)。明治八年、「釧路国地誌提要」などにみえる厚岸村を割いて設けられたとみられ、同年三月二〇日付の根室支庁布達(開拓使根室支庁布達全書)に「湾月わんげつ町」とある。同一七年一月市街地区域の再編成により、厚岸村・小原内おばらない村・帆似恋ほにこい村・辺土江へどえ村・奔渡ぽんと村の各一部が編入された。当町・梅香ばいか町・若竹わかたけ町・松葉まつば町からなる厚岸市街は南南西から北北東に長さおよそ一三町、幅およそ三町にわたって延びていた。南端に位置する当町は官庁街の性格をもち、市街地において「最モ枢要ノ位置ヲ占メ」ており、当町域に居住していたアイヌはしだいに北方松葉町域に移された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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