渋谷越(読み)しぶたにごえ

精選版 日本国語大辞典 「渋谷越」の意味・読み・例文・類語

しぶたに‐ごえ【渋谷越】

京都市東山区の山路東大路から清水山と阿彌陀ケ峰との間の渋谷(清閑寺池田町)を経由して大津市に至る。六波羅(ろくはら)の盛んなころ東国への道として利用された。

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日本歴史地名大系 「渋谷越」の解説

渋谷越
しぶたにごえ

鴨東おうとう五条橋(旧六条坊門末)より、小松こまつ谷付近を通り、清閑寺せいかんじ山と阿弥陀あみだみねの谷あいを通って山科やましな(現山科区)へ至る道。

応仁の乱以後の様子を示すとされる中昔京師地図には、「汁谷仏光寺」「妙法院御所跡」の北側を通り、ほぼ真東へ山越えする道として描かれ、「東国路あづまぢ」「苦集滅路くづめぢ」と注し、「汁谷越山科ヘ出ル」と記す。慶応四年(一八六八)改正京町御絵図細見大成には、東山ひがしやまを越えた山科「竹ヵ鼻たけヵはな(現山科区)付近で二つに分れる。一方はほぼ東に向かい、途中枝分れした道は山科盆地を北上する大津街道と合し、主道は三条街道(東海道)やつこ茶屋(現山科区)付近で合する道筋が描かれる。一方は南東に向かって小野おの(現山科区)醍醐だいご(現伏見区)へ至る。

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