消飛(読み)けしとむ

精選版 日本国語大辞典 「消飛」の意味・読み・例文・類語

けし‐と・む【消飛】

〘自マ四〙 (「けしとぶ(消飛)」の変化した語)
① つまずく。けつまずく。
浄瑠璃・大磯虎稚物語(1694頃)馬揃へ「御馬は少ふけたれども〈略〉ときの声を聞ふれて百万人の勢子鼓、けしとむ事の候はず」
② 驚いて立ちすくむ。はたと止まる。
※浄瑠璃・天智天皇(1692)五「此馬俄にけしとみて、耳を立て毛をふせて」
途中でつまずいて物が言えなくなる。絶句する。
※浄瑠璃・京羽二重娘気質(1764)九「己が悪事を高々と、読で恟(ぴっく)り消止(ケシト)面付

けし‐と・ぶ【消飛】

〘自バ五(四)〙
① けつまずいて、すっ飛ぶ。つまずく。
平治(1220頃か)中「悪源太の乗り給へる馬、〈略〉妻手(めて)の方へけしとんで、小膝を折りて、どうど伏す」
勢いよく飛んで、見えなくなる。すっかり消えてなくなる。
人情本・恩愛二葉草(1834)初「魂神(たましひ)も消(ケ)し飛(ト)んで、五体もがたがた震へしが

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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