洗晒(読み)あらいざらし

精選版 日本国語大辞典 「洗晒」の意味・読み・例文・類語

あらい‐ざらし あらひ‥【洗晒】

〘名〙 (「あらいさらし」とも)
衣服などの、幾度も洗って、色がすっかりさめていること。また、そのような衣服。
今昔(1120頃か)二三「无文(むもん)の袴に紺の洗曝(あらひさらし)の襖(あを)に、欵冬(やまぶき)の衣の袪と吉く被曝(さらされ)たるを着て」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「洗ひ晒しの不断着を縫ふ」
妊産婦が死んだ時、赤い布を、川岸に作った棚にかけて、家人通行人に水をそそいでもらうこと。百日晒し。

あらい‐さら・す あらひ‥【洗晒】

〘他サ五(四)〙 (「あらいざらす」とも)
① 衣服を色がさめるくらいにまで幾度も洗う。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上「新八郎は洗晒(アラヒサラ)した阿波縮浴衣に、寝ぼけ色の浅黄めりんすの三尺を前結びにして」
雨風のあたるにまかせておく。
先生への通信(1910‐11)〈寺田寅彦巴里から「塔の頂の洗ひさらされた石材には」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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