泣立・鳴立(読み)なきたつ

精選版 日本国語大辞典 「泣立・鳴立」の意味・読み・例文・類語

なき‐た・つ【泣立・鳴立】

[1] 〘自タ四〙
※枕(10C終)八八「むかしの蔵人は今年の春夏よりこそなきたちけれ、いまの世には、走りくらべをなんする」
※いさなとり(1891)〈幸田露伴八一「声絞りてわっと泣き立つ新太郎」
② (鳴立) 鳥などが鳴いて飛び立つ。
※敦忠集(10C後)「うぐひすはなきたちぬとぞおもひぬる君よりさきにこゑのせしかば」
[2] 〘自タ下二〙 ⇒なきたてる(泣立)

なき‐た・てる【泣立・鳴立】

〘自タ下一〙 なきた・つ 〘自タ下二〙
① (泣立) 大声をあげて泣く。しきりに泣きわめく。泣き立つ。
信長記(1622)一二「今とどめをさすとて鑓長刀を見せし時、一度に噇(どっ)となき立し声々」
② (鳴立) 虫、獣、鳥などが声高に鳴く。しきりに鳴く。
※俳諧・曠野(1689)二「鳴き立ていりあひ聞ぬかはづかな〈落梧〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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