日本大百科全書(ニッポニカ) 「池田宣政」の意味・わかりやすい解説
池田宣政
いけだのぶまさ
(1893―1980)
大衆的児童文学の作家。本名は宜政(よしまさ)、別名南洋一郎(みなみよういちろう)。東京の東秋留(あきる)に生まれる。苦学して青山師範学校を卒業、長く小学校教師を務めた。昭和の初めから雑誌『少年倶楽部(くらぶ)』を舞台として少年読物の執筆を開始。池田宣政名では『野口英世(ひでよ)』『リンカーン』など偉人伝を、南洋一郎名では『吼(ほ)える密林』『日東の冒険王』など冒険小説を書いた。作品集、回想記に『喜寿』(1970)がある。
[上笙一郎]
『『南洋一郎全集』全12巻(1955~1956・ポプラ社)』▽『『日本児童文学大系29 南洋一郎集』(1977・ほるぷ出版)』▽『加藤謙一著『少年倶楽部時代』(1968・講談社)』