永野川(読み)ながのがわ

日本歴史地名大系 「永野川」の解説

永野川
ながのがわ

上都賀郡粟野あわの町の上永野かみながの地区を水源とする。流路延長四八・一キロ、流域面積一七二平方キロ。粟野町より南東流して栃木市北西部で出流いずる川を合せ、同市中央部でふじ川・赤津あかづ川などと合流する。この辺りまでを近世にはひやく川とよび、それより下流二本杉にほんすぎ川とも称し、さらに大平おおひら町に入って土与どよ地区から下流は出流川ともよんだ。大平町を南流したあと小山おやま市境で巴波うずま川と合流する。夏の間しばしば氾濫して被害をもたらしたため、栃木市の千塚ちづか町には水害防除を願って建てられた経塚が二基残っている。上流域では河原が大麻の干し場に利用され、栃木市岩出いわで地区以南では灌漑用水に利用された。当川より取水する用水には東郷とうごう用水や六ヵ村用水がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報