家庭医学館 「毛舌/黒毛舌」の解説
もうぜつこくもうぜつ【毛舌/黒毛舌 Hairly Tongue / Black Hairly Tongue】
舌の表面には、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)と呼ばれる粘膜上皮(ねんまくじょうひ)の細かい突起が無数に存在しています。これが、舌のざらざらした感じのもとになっているものです。
この糸状乳頭が過形成によって伸び、あたかも毛が生えたような状態になったものが毛舌です。
毛の色は、白色から黄色がふつうですが、黒い場合もあり、これはとくに黒毛舌(こくもうぜつ)と呼ばれます。
毛舌の色は、そこに付着した色素産生菌が出す色、食物の色、たばこのタールなどによるものです。
[原因]
糸状乳頭が過形成をおこすしくみは、明らかではありませんが、発熱、胃腸障害、抗生物質の服用、過度の喫煙、放射線照射、精神的ストレス、真菌(しんきん)(カンジダやアスペルギルスなど)の感染などが誘因となります。
[治療]
原因の除去に努めることと、うがいなどで口腔内(こうくうない)を清潔に保つことがたいせつです。場合によっては、消毒作用のある含嗽剤(がんそうざい)(うがい薬)の使用も必要となります。
舌の表面を歯ブラシで軽くこすり、角化上皮(かくかじょうひ)を除去するのも有効です。