殿達(読み)トノタチ

デジタル大辞泉 「殿達」の意味・読み・例文・類語

との‐たち【殿達】

殿方たち。とのばら
烏帽子えぼし親などといふものは―をこそ頼むものなれ」〈虎明狂・比丘貞
近世遊女などが客をいう語。
「つどひての―の御出でなれば」〈仮・仁勢物語・下〉

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精選版 日本国語大辞典 「殿達」の意味・読み・例文・類語

との‐たち【殿達】

〘名〙 (「たち」は接尾語)
① 大臣たち。公卿たち。
讚岐典侍(1108頃)上「三位殿おはして、殿たちみな障子の外にいでさせ給ひぬ」
② 殿方たち。殿ばら。
※虎明本狂言・比丘貞(室町末‐近世初)「そうじてゑほしおやなどと云物は、との達をこそたのむものなれ」
③ 遊女、揚屋(あげや)などで客をいう語。
仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)下「つどひてとの達の御出なれば、くつは出て、おくにいざなひ入れてのきぬ」

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