橙・臭橙(読み)だいだい

精選版 日本国語大辞典 「橙・臭橙」の意味・読み・例文・類語

だい‐だい【橙・臭橙】

〘名〙
① ミカン科の常緑小高木。インド・ヒマラヤ原産で、日本へは、古く中国から渡来し、各地に植栽されている。枝・葉は密生し枝にはとげを散布。葉は厚く透明な油点がある。葉身は長さ六~八センチメートルの卵状長楕円形、先はとがり縁は波状か鈍い鋸歯状。葉柄には広い翼がある。初夏、葉腋に芳香のある白い五弁花が咲く。果実は球状で冬に黄色に熟し、翌年の夏になるとまた緑色にもどる。果実は酸味が強く苦みがあり、マーマレードの材料とされる。和名は「代々」の意で、果実が年を越しても木についているところから、「代々永続」などの意に解し、正月の飾りに用いる。果皮を漢方では陳皮(ちんぴ)といい、発汗薬や健胃薬に使う。漢名、橙。《季・冬‐新年》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・新類題発句集(1793)春「橙や春をかさねし千年家〈山呼〉」
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉三「二郎は、直に、其二色をまぜ、だいだいのやうなる色を得たり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android