横走駅(読み)よこはしりのえき

日本歴史地名大系 「横走駅」の解説

横走駅
よこはしりのえき

「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条および高山寺本「和名抄駅名部にみえる駅名。駿河郡横走郷(和名抄)に隣接して所在したとみられ、高山寺本「和名抄」では同郷に「与古波之利」の訓がある。駿河国から甲斐相模に向かう分岐点にあたり、また足柄坂(足柄峠)越の基地でもあった。このため延喜式制では二〇疋の駅馬と五疋の伝馬が配備されていた。「三代実録」貞観六年(八六四)一二月一〇日条に柏原かしわはら駅・永倉ながくら駅とともに駿河郡内三駅の一つとして駅名がみえる。これより先の「続日本後紀」承和七年(八四〇)一二月一日条でも、当時駿河郡に駅が三つ置かれていたと記され、この三駅とは貞観六年の記事同様柏原・永倉・横走の三駅と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の横走駅の言及

【御殿場[市]】より

…御殿場の地名は,徳川家康が造らせた御殿に由来するといわれる。古代の横走駅が置かれた地とされる。古代末から中世にかけて伊勢神宮領大沼鮎沢御厨(みくりや)の内にあり,鎌倉幕府の御家人大森氏一族が強大な勢力を誇っていた。…

※「横走駅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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