小山(読み)こやま

精選版 日本国語大辞典 「小山」の意味・読み・例文・類語

こ‐やま【小山】

[1] 〘名〙
① 小さな山。低い山。丘。また、小さな山の形にしたもの。
出雲風土記(733)意宇「郡家の東北の辺(ほとり)、田の中にある墪(こやま)、是なり」
② 風呂をいう。
※雑俳・後の栞(1816)「友が出来・内で小山を焚く長家」
※雑俳・かがみ磨(1814)「直は直だけ・小山の風を誉る妾」
[2]
[一] 大阪府藤井寺市北西部の地名。大和川の南岸にあり、江戸時代小山団扇(うちわ)の産地として知られた。小山城跡がある。
[二] 静岡県中南部、吉田町片岡の古地名。大井川の旧流路に臨む要害の地で、武田氏の小山城があった。

しょう‐ざん セウ‥【小山】

〘名〙 小さい山。
懐風藻(751)初秋於長王宅宴新羅客〈調古麻呂〉「人含大王徳、地若小山基

おやま をやま【小山】

栃木県南部の地名。中世以来、小山氏城下町として発展。日光街道の宿駅および思川の河港(乙女河岸)として栄えた。JR東北新幹線・東北本線両毛線水戸線が結ばれる交通の要地。県下有数の工業都市。昭和二九年(一九五四)市制。

お‐やま を‥【小山】

〘名〙 小さな山。低い山。こやま。
※拾遺(1005‐07頃か)賀・二六五「がまふ野の玉のを山に住む鶴の千年は君が御代の数なり〈よみ人しらず〉」

こやま【小山】

姓氏の一つ。

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デジタル大辞泉 「小山」の意味・読み・例文・類語

こ‐やま【小山】

小さい山。低い山。
[類語]高山山岳山山山並み連山連峰山脈山塊山系山地・山岳地帯・名山秀峰高峰最高峰高嶺大山巨峰主峰霊山霊峰

おやま〔をやま〕【小山】

栃木県南部の市。中世は小山氏の城下町、江戸時代は日光街道の宿駅として発展。鉄道交通の要地。電機などの工業が盛ん。人口16.4万(2010)。

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日本歴史地名大系 「小山」の解説

小山
おやま

南北朝時代頃からみえる地名。現高城町桜木さくらぎに小山の遺称があり、中世の小山城は地元では「こやま」とよばれる。南北朝末期、九州探題今川了俊によって派遣された今川満範は、高城を基盤に国人を組織化し島津氏と対抗した。年未詳九月七日の今川満範書状(禰寝文書)によれば、樺山かばやま(現三股町)攻めを行った際に野伏が出なかったため、石寺いしでら(現同上)などの山人を案内者に四〇〇人を差向け、自身は「小山城」に移っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「小山」の意味・わかりやすい解説

小山[市] (おやま)

栃木県南部にある市。1954年小山町と大谷村が合体,市制。人口16万4454(2010)。市の主要部は思(おもい)川の東岸にあり,中世以来の小山氏の城下町で,江戸時代は日光道中宿場町,思川水運の河港として栄えた。明治以降は東北本線から両毛線と水戸線が分かれ,国道4号線と50号線が交差する交通の要地となり,地方物資の集散地として農産物加工業が発達した。伝統産業の結城紬のほか醸造,製粉,製菓などの食料品工業,第2次世界大戦後の高度成長時代に造成された工業団地に電機,自動車部品,通信機,金属,建設機械およびアルミニウム工業などが進出して,県内2位の工業生産額(1995)を示す工業都市に発展した。東京から約70kmで通勤圏内にあり,東北新幹線の大宮の次の停車駅として東京への時間距離はさらに短縮された。
執筆者:

下野国の日光道中の宿駅。《和名抄》に都賀郡小山郷と見える。小山政光が思川東岸の丘陵に築いた小山城(祇園城)は1590年(天正18)小田原征伐に伴い小山氏が滅亡して破却された。3万3000石を与えられて小山城を再興した本多正純は1617年(元和3)日光造営工事を指揮したので,思川の乙女河岸で陸揚げされた資材は小山,壬生(みぶ)経由で送られた。正純は19年宇都宮に移り,小山城は廃され,小山は以後日光道中の宿場として重視された。足利,佐野方面から結城への街道との交点でもあり,宿の北の外れの喜沢村から壬生通りが分岐するため,〈五方追分け〉といわれた要地であった。宿の東側を流れる思川には,野州南部の米や諸商品を積み送る河岸がいくつもあり,小山には2・7の六斎市が立った。19世紀初頭の文化初年には,家数453軒,人口1475人,旅籠屋73軒で,近隣の諸宿の2倍近い規模の大宿であった。
執筆者:

小山[町] (おやま)

静岡県北東部,駿東郡の町。人口2万0629(2010)。富士山東麓に位置し,東は神奈川県,北は山梨県に接する。北西端は富士山頂付近に達し,北の丹沢山地,東の箱根外輪山,足柄山に囲まれ,町域の大部分が山林などで占められ,平地は少ない。しかし富士,箱根両山地に発する鮎沢川をはじめ多くの川が流れ,豊かな水資源を利用して,大規模な紡績工業が発達している。京浜地域に近く,用地,用水,交通などの立地条件に恵まれて,近年多くの工場が進出している。町の中央部を占める北郷地区は米作を主体とする農業地帯であるが,近年はゴルフ場,霊園などの開発が進み,富士スピードウェーも設置された。北西部の須走は富士山東口登山道の入口で,浅間神社がある。かつては駿河国から籠坂峠をこえて甲斐国に至る交通の要衝で,戦国時代には関所が設けられていた。現在は陸上自衛隊富士学校,東富士演習場などが設けられ,レジャー施設も多い。JR御殿場線,国道138号,246号線,東名高速道路が通る。
執筆者:

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「小山」の解説

小山

正式社名「小山株式会社」。英文社名「KOYAMA CORPORATION」。金融業。明治26年(1893)創業。昭和37年(1962)設立。本社は奈良市大森町。寝具リース会社。ホテル・医療機関・福祉施設などに寝具・各種備品を提供。介護用品のレンタル・販売も行う。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

事典・日本の観光資源 「小山」の解説

小山

(岡山県久米郡美咲町)
日本の棚田百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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