核燃料税(読み)カクネンリョウゼイ

デジタル大辞泉 「核燃料税」の意味・読み・例文・類語

かくねんりょう‐ぜい〔カクネンレウ‐〕【核燃料税】

原子力発電所がある地方公共団体が、原子炉に挿入された核燃料価額など基準として、原子炉の設置者に対して課する法定外普通税
[補説]発電用原子炉以外に、再処理施設がある茨城県では核燃料等取扱税を、再処理施設や廃棄物埋設施設などがある青森県では核燃料物質等取扱税を設け、受け入れた使用済み燃料放射性廃棄物ガラス固化体などの量などに応じて課税している。市町村では、鹿児島県薩摩川内市が原子力発電所に貯蔵されている使用済み核燃料数量に応じて使用済核燃料税を課している。新潟県柏崎市は、法定外目的税として使用済核燃料税を設け、保管する使用済み核燃料の重量に応じて課税している。使途は、原子力発電所に対する安全対策・生業安定対策・環境安全対策など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「核燃料税」の意味・わかりやすい解説

核燃料税
かくねんりょうぜい

原子力発電所を設置した事業者が立地地方公共団体へ納める税金。地方公共団体が独自に課税する法定外税の一つで、課税には総務大臣同意が必要。核燃料の量・価格(価額割)、原子炉の熱出力(出力割)、使用済み核燃料の貯蔵量(搬出促進割)などに応じて課税する。税収防災・安全対策のほか、道路・橋・河川整備、農業振興、福祉対策などにあてられる。1976年(昭和51)に福井県が初めて導入し、2021年(令和3)時点で12道県の地方公共団体が導入している。

[編集部 2022年1月21日]

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