栄谷村(読み)さかえだにむら

日本歴史地名大系 「栄谷村」の解説

栄谷村
さかえだにむら

[現在地名]和歌山市栄谷

名草なくさ郡に属し、なか村の東に位置する。南東市小路いちしようじ村との境を淡島街道(旧南海道)東西に通る。村内東部をひがし村、中部を河原崎かわらざき西部高芝たかしばという。栄谷は古くは堺谷と記し(慶長検地高目録)、境谷・坂井谷とも書くという(続風土記)。「続風土記」は「さかいだに」と訓ずる。古代には当地辺りが海部あま・名草両郡の境であったと推定され、きし(貴志村)に含まれていたとされる。

栄谷村
さかえだにむら

[現在地名]加賀市栄谷町

鞍掛くらかけ(四七七・七メートル)から北に延びる山地の北端部にあり、那谷なた川を隔てて北は山本やまもと村。「白山之記」に中宮三ヵ寺の一つ栄谷寺がみえる。「源平盛衰記」巻四に安元二年(一一七六)目代藤原師経と白山宮との抗争のとき、「奈谷寺・栄谷寺・宇谷寺三寺四社ノ大衆モ、馳集テ同意シケリ」とあり、白山宮の号令下に活躍した栄谷寺の姿が察せられる。寺跡は村内「寺の谷」に比定されているが確証はない。村内白山神社は栄谷寺の鎮守であった可能性もある(加賀市史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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