白山之記(読み)しらやまのき

日本歴史地名大系 「白山之記」の解説

白山之記
しらやまのき

一冊

別称 白山縁起・白山記

写本 白山比神社・加越能文庫・東京大学史料編纂所ほか

解説 白山開闢から白山加賀馬場形成に至る過程を記した最古の縁起で、中世初期の白山信仰の様子や加賀馬場の状況を知るための基本史料。総じて三馬場のなかでの加賀馬場の優位を論じつつ、白山禅頂付近の聖地描写に始まり、徐々に山麓の宗教施設の様子を伝え、白山七社ほか末社の分布についてもかなり詳細に記す。長寛元年に千妙聖人が撰述したものに白山中宮長吏隆厳が補注を加えたものが、現存写本の原型となったとする見方が有力。現存写本は正応四年・永和四年・応永一六年と書写されて、永享一一年六月九日、温谷護法寺の護摩堂で定成が書写したもの。

活字本 白山比神社叢書・白山比神社文献集・日本思想大系二〇・白山史料集上巻・「加能史料」平安IV

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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