栃木河岸(読み)とちぎかし

日本歴史地名大系 「栃木河岸」の解説

栃木河岸
とちぎかし

[現在地名]栃木市倭町など

巴波うずま川左岸に設置された近世の河岸。栃木町のなか町から延びる西横にしよこ町を過ぎると巴波川に出るが、船積問屋中町のほかかみ町・しも町に散在したとみられる。河岸場の景観は今も残るが、蔵は江戸時代以来のものはない。当河岸の起源は元和年間(一六一五―二四)とされ、元禄一一年(一六九八)の船積問屋をめぐる争論に際して、栃木町側は八〇年以前より日光御用の荷物ならびに諸商人荷物を栃木河岸より積送ってきたとしている(元禄一二年「裁定書」小林源一郎文書)。河岸の後背地は、例幣使街道を通しての鹿沼・今市・宇都宮方面、永野ながの川沿いの鍋山なべやま出流いずる村より足尾あしお方面、さらに南会津方面など広範囲に及んだ。「下野一国」では栃木河岸といった表記はみえないが、巴波川について栃木町までを小さな高瀬舟往来する船渡場と記し、沼和田ぬまわだ渡場より栃木町橋本まで三二町二〇間とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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