柏崎浦(読み)かしわざきうら

日本歴史地名大系 「柏崎浦」の解説

柏崎浦
かしわざきうら

[現在地名]館山ぬま

沼村の北に位置し、かがみヶ浦(館山湾)に臨む。近世の郷村帳類では沼村のうちで高付され、領主の変遷も同村に同じ。ただし江戸時代中期頃からは独立した一村として扱われることもあった。海付の村で漁業などに従事していた。当浦の北方海上に浮ぶたかの島(鷹ノ島)おきの島は西風を防ぐ格好の波除場であり(現在は埋立てられて地続きとなっている)、とくに安房国元禄絵図(尊経閣文庫)に「江戸迄廿七里、小船カカリ東風悪シ、深四丈余」とみえる高の島湊は大船船掛り場として利用され、近世館山湾最大の港であった。「関八州古戦録」によると、弘治二年(一五五六)一〇月初旬、里見義尭は子息義弘を総大将として勝浦の正木時忠、小糸こいと(現君津市)の秋元民部少輔、まる(現丸山町)の山川豊前守・同舎弟川名孫次郎らを率いて兵船八〇艘で安房「高野島」を出陣し、相州三崎みさき(現神奈川県三浦市)へ着船してじようヶ島(現同上)に陣を取っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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