伊能忠敬測量日記(読み)いのうただたかそくりようにつき

日本歴史地名大系 「伊能忠敬測量日記」の解説

伊能忠敬測量日記
いのうただたかそくりようにつき

二八冊 伊能忠敬

別称 測量日記

成立 文化末年か

原本 伊能忠敬記念館

写本 日本学士院

解説 寛政一二年の北海道測量から文化一三年の伊豆七島測量までの出張日記「伊能忠敬先生日記」三〇余冊(伊能忠敬記念館蔵)から主要個所を書抜いて清書した日記。全二八冊のうち伊豆七島などの二冊以外はすべて忠敬の自筆とされる。文化六年と同八年に始まる九州測量では両度とも鹿児島藩領に入り測量を実施した。一回目は文化七年五月の志布志海岸から始められ、九月一七日の出水郡獅子島で終了するまで測量日数は本隊・別動隊合せて延べ一四七日を要し、二回目は同九年二月伊佐郡大口郷小河内に入って、種子島・屋久島の渡海測量を済ませ、六月日向国綾郷から出領するまで延べ一二九日を要している。測量日記には一日ごとの天候、測量の起点・終点と開始・終了の時刻、実測地点となった場所と距離、現地掛役人の氏名など詳細な記録が記され、当時の鹿児島藩の沿海部や主要街道筋の郷村や町浦の様子がうかがえる。

活字本 伊能忠敬の鹿児島測量関係資料並に解説(鹿児島県史料集一〇)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android