枕上(読み)ちんじょう

精選版 日本国語大辞典 「枕上」の意味・読み・例文・類語

ちん‐じょう ‥ジャウ【枕上】

〘名〙
① 寝ている人の頭の周辺。枕頭。枕許。まくらがみ。
文華秀麗集(818)中・奉和春閨怨〈巨勢識人〉「片時枕上夢中意、幾度往還塞外途」
② 頭を枕にのせている状態。床についていること。
※落梅集(1901)〈島崎藤村七曜のすさび・月曜日の手紙「以上は僅かに病中のつれづれ、手にまかせてさぐりたる書につき〈略〉あたらざるふしぶしは枕上(チンジャウ)饒舌と御見ゆるし被下度候」 〔岑参春夢詩〕
[補注]「ちん」は「枕」の慣用音で、正音は「しん」。「文明本節用集」には「枕上 シンシャウ」とある。

まくら‐がみ【枕上】

〘名〙 寝ている人の枕の辺。枕もと。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「琴はひきはて給へれば、ふくろに入て宮の御まくらがみに御はかし添へて置きつ」

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デジタル大辞泉 「枕上」の意味・読み・例文・類語

ちん‐じょう〔‐ジヤウ〕【枕上】

寝ている人のまくらのそば。まくらもと。枕頭。
寝床にいること。
「やっと床につく多くの人には―は眠る事が第一義である」〈寅彦路傍の草〉

まくら‐がみ【枕上】

枕元」に同じ。

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普及版 字通 「枕上」の読み・字形・画数・意味

【枕上】ちんじよう(じやう)

枕べ。唐・岑参〔春夢〕詩 枕上片時、春の中 行き盡す、江南數千里

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