枇杷葉湯(読み)ビワヨウトウ

デジタル大辞泉 「枇杷葉湯」の意味・読み・例文・類語

びわよう‐とう〔ビハエフタウ〕【××杷葉湯】

乾燥したビワの葉などの煎じ汁。暑気あたりや下り腹などに用いた。京都烏丸本舗があり、夏、江戸で、試飲させながら行商した。 夏》
宣伝のため路上1をだれにでも飲ませたところから》浮気多情。また、そういう人。
「てめえの―は棚へあげて」〈洒・四十八手〉

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精選版 日本国語大辞典 「枇杷葉湯」の意味・読み・例文・類語

びわよう‐とう ビハエフタウ【枇杷葉湯】

〘名〙
枇杷の葉の毛をとって乾燥させたものに、肉桂や甘茶などを細かく切ってまぜた散薬、またそれを煎じた汁。食傷・暑気あたり・急性痢病などに効くという。京都烏丸に本舗があり、江戸では馬喰町三丁目で山口屋又三郎が販売した。「本家京都烏丸、枇杷葉湯山口屋又三郎」と記した長方形の箱の中に茶釜茶碗などを入れ、天秤で担いで、往来で煎じて飲ませた。また、夏期には、烏丸の本舗および江戸の取次店では店頭に調製しておいたものを通行人に無料で飲ませた。からすまる。《季・夏》 〔和漢三才図会(1712)〕
② (①は、宣伝のため、薬種店の店頭や行商の路上で往来の人々に無料で飲ませたので、だれにでもふるまうという意から) 多情。浮気。また、そのような人。
洒落本傾城買四十八手(1790)やすひ手「手めへの枇杷葉湯(ビワヨウトウ)は棚へあげて」

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「枇杷葉湯」の解説

枇杷葉湯
(通称)
びわはのゆ

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
道行恋山崎
初演
弘化3.4(江戸・市村座)

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世界大百科事典(旧版)内の枇杷葉湯の言及

【代り目】より

…落語。原話は《福三笑(ふくさんしよう)》(1812∥文化9)所収の〈枇杷葉湯(びわようとう)〉。酔って帰った男が寝酒を飲みたがるので,女房は,さかなに屋台のおでんを買いに行く。…

※「枇杷葉湯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」