松山城(愛媛県)(読み)まつやまじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松山城(愛媛県)」の意味・わかりやすい解説

松山城(愛媛県)
まつやまじょう

江戸期の城。愛媛県松山市丸之内にある。南北朝期には南朝方の忽那(くつな)氏らの砦(とりで)、戦国期には河野(こうの)氏の支城が置かれていた。近世城郭として出発したのは関ヶ原の戦い後であり、1602年(慶長7)加藤嘉明(よしあき)が松前(まさき)城から城を移し築城に着手し、翌年に移ってからである。城は標高131メートルの勝山山頂に本丸を、中腹に二の丸、山麓(さんろく)に三の丸を配す平山城(ひらやまじろ)で、城主居館は三の丸に置かれていた。05年に本丸と天守閣が完成し、07年に三の丸ができあがっている。27年(寛永4)に嘉明は会津に転じ、かわって蒲生忠知(がもうただちか)が入ったが34年に急死し、以後松平(久松(ひさまつ))定行(さだゆき)が15万石で入封し、世襲して明治維新に至った。現存の三層天守閣は雷火で焼失したため、1820~54年(文政3~安政1)に再建されたものである。現在天守閣、野原櫓(のはらやぐら)、乾(いぬい)櫓、隠門続(かくしもんつづき)櫓、一の門南櫓、二の門南櫓のほか門が七つ現存している。

[小和田哲男]


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