ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「杵屋正邦」の意味・わかりやすい解説
杵屋正邦
きねやせいほう
[没]1996.2.16. 東京
作曲家。本名吉川博久。1世杵屋正四郎の子として長唄の家に生まれ,長唄三味線の演奏家となったが,兼松明広について作曲を学ぶ。2世正四郎から 1943年に正邦と改名,しだいに作曲専業となる。三味線のほか箏,琵琶,尺八,邦楽打楽器,声楽などに作品があり,洋楽も手がけて,オーケストラの作品にはみずから指揮するなど,邦楽界において稀有な存在だった。代表作は合唱曲『誕生祭』や三味線独奏曲『去来』,尺八三重奏『風動』など多数。また正邦楽苑の主宰者として多くの現代曲演奏者を育てた。 1952年芸術選奨文部大臣賞受賞。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報