東屋形村(読み)ひがしやかたむら

日本歴史地名大系 「東屋形村」の解説

東屋形村
ひがしやかたむら

[現在地名]本耶馬渓町東屋形

八面はちめん山の南麓、屋形川の上流部にあり、東はさくら峠を越えて宇佐郡麻生あそう(現宇佐市)、西は今行いまゆく村、南は西屋形村。嘉暦三年(一三二八)八月七日の沙弥蓮智譲状(屋形三郎文書)に「ゆつりわたす、ありふせんのくにしもつミけのこほりいなをミやうのてんはくさいけさんやならひにそうりやうしきの事(中略)つきにひこ三郎もろもり(諸守)か事、れんかくかしそくたるニよてせん日たうミやうやかた(当名屋形)の内を、もろもりにわけゆつるといへとん(雖)、れんちならひにをやれんかくかめいをそむくあひた、これをくいかへし、のこるところなくれんかくにゆつりわたすところしち也」とあり、屋形氏は稲男いなお名の名主であり、この名田が屋形谷に散在していたことがわかる。観応三年(一三五二)一月一九日の足利直冬宛行状案(小山田文書)に「下毛郡屋形彦三郎入道跡参町」とみえ、このなかに含まれていると思われる。稲男豊利は承久元年(一二一九)一二月八日の宇佐宮行幸会大根川社進物送状案(永弘文書)に、酒一升と餅三枚を進上しており、同三年の豊前国下毛庄検田目録(同文書)には大根河おおねがわ(現宇佐市)免田として、稲男一町、弥稲男一丁が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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