東宝記(読み)とうぼうき

改訂新版 世界大百科事典 「東宝記」の意味・わかりやすい解説

東宝記 (とうぼうき)

東寺学衆杲宝(ごうほう)の編纂した東寺の歴史。仏宝,法宝,僧宝の3編8巻にわけ,東寺の歴史,堂塔仏像,法具,聖教法会僧職について,文書・記録等を豊富に引用しつつ明らかにする。1352年(正平7・文和1)杲宝が編した草稿本は6巻であったが,南北朝末期から室町初期にかけてその弟子賢宝が増補を加えた。草稿本・清書本12巻1冊が現存し,国宝に指定されている。紙背に杲宝・賢宝あての書状,東寺領荘園関係文書,《玉葉》断簡等がみられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報