杖突(読み)つえつき

精選版 日本国語大辞典 「杖突」の意味・読み・例文・類語

つえ‐つき つゑ‥【杖突】

〘名〙
① 杖をつくこと。また、その人。
万葉(8C後)三・四二〇「天地の 至れるまでに 杖策(つゑつき)も 突(つ)かずも行きて」
※俳諧・誹諧之連歌(飛梅千句)(1540)京何第九「いとどだにざとうまがひの杖つきの じゃうるりかたれともし火のもと」
② (古代中国で、老人の杖をついてよい場所を、五〇歳では家の中、六〇歳では郷、七〇歳では国中、八〇歳では朝廷と規定した(「礼記‐王制」)ところから) 老人の年齢で五〇歳、六〇歳、七〇歳、八〇歳のこと。
浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)六「母の齢も杖(ツエ)つきの」
③ 江戸幕府の職名の一つ。土地の測量を行なう役の者。
随筆・八十翁疇昔話(1716頃か)「五百石より杖突(ツヱツキ)壱人出す」
近世の軍陣で、大旗や大幟を背にさした旗指(はたさし)をいう。進行の際に手に架杖(かせづえ)を持つところからいう。〔武用弁略(安政再板)(1856)〕

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