李達(中国、明)(読み)りたつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「李達(中国、明)」の意味・わかりやすい解説

李達(中国、明)
りたつ

生没年不詳。中国、明(みん)初の永楽年間(1403~24)に4回にわたって西域(せいいき)に奉使した人。第1回は1407年、東チャガタイ・ハンの援助要請に応じたもので、ビシュバリクを訪れた。第2回は1413年、ティームール朝の第3代の王シャー・ルフ遣使に随行してヘラートを訪れたが、このとき彼の副使として同行した陳誠・李暹(りせん)の記録である『西域行程記』『西域番国志』は明初の西域についてのもっとも詳しい資料となっている。第3回は1416年東チャガタイ・ハン、ムハンマドの死を弔うため傅安(ふあん)と同行した。第4回はシャー・ルフおよびサマルカンドウルグ・ベクの遣使に随行したもので、途中ハミ王位を簒奪(さんだつ)した東チャガタイ・ハンのバイスをイリバリで招撫(しょうぶ)した。

松村 潤]

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