朮・白朮(読み)おけら

精選版 日本国語大辞典 「朮・白朮」の意味・読み・例文・類語

おけら をけら【朮・白朮】

〘名〙 キク科の多年草本州、四国、九州の、やや乾燥した山野に生える。茎は直立して高さ三〇~六〇センチメートルになり細く堅い。新苗は白毛で包まれ、葉は楕円形で互生し、縁に刺状の鋸歯(きょし)がある。秋、枝の先に鐘形の総苞の外側に魚の骨状の苞葉をもつ白または淡紅色の頭花を付ける。若苗は食用とし、根茎を乾燥したものを蒼朮(そうじゅつ)と呼び、健胃・利尿解熱・鎮痛剤とし、正月の屠蘇散の原料の一つともする。また、梅雨の頃、陰干しにして湿気を払い、邪気悪臭を取り去るのに用いるならわしがあり、京都の八坂神社で行なわれる元日の朮祭(おけらまつり)には、オケラを加えた篝火(かがりび)が社前で焚かれる。漢名、白朮。うけら。あかおけら。
▼おけらの花《季・夏‐秋》
書紀(720)天武一四年一〇月(北野本訓)「百済の僧法蔵(ほうさう)優婆塞(うはそく)益田直金鐘(ますたのあたひこむしょう)美濃に遣して、白朮(ヲケラ)を煎(ねら)しむ」

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