札前村(読み)さつまえむら

日本歴史地名大系 「札前村」の解説

札前村
さつまえむら

[現在地名]松前郡松前町字札前

近世から大正一二年(一九二三)まで存続した村。近世は西在城下付の一村で、西から南は海に面し、東の方は根部田ねぶた村。地名の由来は「地名考并里程記」によれば「夷語シヤツナイなり。則、乾きたる沢」の意。シャクシャインの戦に関連して「津軽一統志」に「さつまい 家二十軒」、続けて「つま内 小川有 家五軒」とある。「つま内」については未詳。寛文九年(一六六九)渡海とかい神社が創立という(函館支庁管内町村誌)元禄郷帳に「さつまい村」、享保十二年所附には「札前村 此所大禰崎迄合三十六丁一里」と記される。天保郷帳は札前村とする。

天明六年(一七八六)の「蝦夷拾遺」では家一〇余戸・人四〇余人、木村「蝦夷日記」の寛政一〇年(一七九八)五月一九日の記事には「庄や阿部辰(右)衛門・年寄伊藤五郎兵衛」、一一軒・四三人、制札二枚とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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