津軽一統志(読み)つがるいつとうし

日本歴史地名大系 「津軽一統志」の解説

津軽一統志
つがるいつとうし

相坂兵右衛門・伊東八右衛門ほか著

成立 享保一六年

写本 道立図書館・弘前市立図書館・東京国立博物館

解説 享保一六年に編纂された弘前藩史「津軽一統志」の巻一〇(三冊)には、藩主津軽信政治世中の寛文九年に蝦夷地で起こったシャクシャイン蜂起に際して幕府から後詰めを命じられて松前に渡海した弘前藩の出兵や、隠密として松前・蝦夷地を訪れた弘前藩士たちの状況探索が一括して収められている。西蝦夷地オショロに赴いてアイヌの有力者たちから事件の真相を聴取した牧唯右衛門や、漂流のふりをして東蝦夷地の状況を探った秋本六左衛門らの報告は貴重である。

活字本 「新北海道史」第七巻史料一・青森県松前蝦夷地叢書第六編

津軽一統志
つがるいつとうし

一〇巻 津軽校尉等編

成立 享保一六年

写本 市立弘前図書館

解説 弘前藩の官撰史書。津軽家の氏祖光信より四代藩主信政の治世前期に至る藩史で、藩祖為信が南部氏から独立して津軽を統一していく過程を詳述している。慶長五年以降も同藩藩政の展開を記録しているが、特に寛文九年のシャクシャインの乱の出兵記事は、近世北海道史研究の基本史料ともいうべきものである。附巻として「津軽郡中名字」「十三往来」などを収載

活字本新編青森県叢書」一

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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