本願堂(読み)ほんがんどう

日本歴史地名大系 「本願堂」の解説

本願堂
ほんがんどう

[現在地名]大津市坂本本町

根本中堂の北、東塔北谷虚空蔵こくぞう尾の本堂で、薬師如来、日光・月光菩薩を安置していた。現在は荒廃。青年僧最澄が比叡山に入るのは延暦四年(七八五)七月中旬だが、登叡後初めて草庵を結んだのが当地という。仙人経行の所、明星天子来下の庭といわれ、最澄は仙人の導きで当地に霊木を得、薬師・釈迦弥陀の三尊仏ならびに多聞天・摩訶伽羅天の五体の仏像を造り、一乗止観いちじようしかん院などに安置したと伝える(叡岳要記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報