本三戸館跡(読み)もとさんのへだてあと

日本歴史地名大系 「本三戸館跡」の解説

本三戸館跡
もとさんのへだてあと

[現在地名]南部町小向 正寿寺

小向こむかいの北の段丘猿辺さるべ川に臨む場所に位置する。東は現在道路、西は猿辺川に注ぐ渓流、南は猿辺川に面する低地、北は段丘続きで山地に連なる。南の低地との比高約二〇メートル。寛政年間(一七八九―一八〇一)の「邦内郷村志」に「館 云本三戸」とあり、安政三年(一八五六)の三戸通神社仏閣地名書上帳に「本三戸御館」とある。別名聖寿寺しようじゆじ館。大永三年(一五二三)より南部氏の居城であったと伝え(邦内郷村志)、二四代南部晴政はここに居城したものとみられる。天正二〇年(一五九二)の諸城破却書上や慶長三年(一五九八)の館持支配帳にみえず、この頃すでに廃棄されていたものであろう。

伝承では天文八年(一五三九)家臣の赤沼備中の放火により炎上し、焼失したとされ(祐清私記)、その後三戸城(現三戸町)を築城し、移ったとみられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android