木版(読み)モクハン(英語表記)wood block; woodcutting; wood engraving

デジタル大辞泉 「木版」の意味・読み・例文・類語

もく‐はん【木版】

木の板に文字や絵を彫って作った印刷用の版。また、それで印刷したもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木版」の意味・わかりやすい解説

木版
もくはん
wood block; woodcutting; wood engraving

木材に文字,文様絵画などを彫刻してつくった印刷用の版。またはそれで印刷したものをもいう。歴史は古く,中国唐代の初期すでに行われていたという。立ち木の状態で縦断した板目木版と,横断した木口木版とがあり,板目木版には桜,ほおの木,かつら,しなの木など,木口木版には,つげが多く,つばき,桜も使われる。これらの版木に彫刀で彫刻し,墨,絵具,油性インキなどを塗って紙に刷り上げる。東洋では板目木版が多く,西洋では木口木版が発達した。代表的な木版画は日本の浮世絵である。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「木版」の解説

木版
もくはん

文字や絵を彫刻した版木によって印刷すること,またその印刷面。活字版に対し,銅版などとともに整版と総称される。彫刻は,版下を裏表にして版木にはりつけた上から行う。印刷は,料紙を版木の上にあててばれんで擦って摺刷する。それぞれ専門の職人を要した。

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普及版 字通 「木版」の読み・字形・画数・意味

【木版】もくはん

木刻

字通「木」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の木版の言及

【印刷】より

…印刷は文書,絵画,写真などの平面的な画像を多数複製する手段であるが,現在ではその技術は多種多様となり,印刷とは何かを定義することは困難である。
【歴史】

[源流]
 ふつう印刷術は中国に始まったと考えられており,その場合の印刷術は木版に文字を彫りそれに墨を塗り,上から紙をあて〈バレン〉のようなもので文字を刷りとる方法が行われたのである。現在広く行われている活字印刷に対し,これを〈整版〉と呼んでいる。…

【版画】より

…print(英語),estampe(フランス語),Druck(ドイツ語)がほぼこれに当たる。ふつうはインキ(墨,顔料など)をつけた木版,銅版,石版などによって紙などに印刷されたものをいう。したがって,まったく同一のものが複数あるということは版画の第1の特徴である。…

※「木版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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