曽我廼家十郎(読み)そがのやじゅうろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽我廼家十郎」の意味・わかりやすい解説

曽我廼家十郎
そがのやじゅうろう
(1869―1925)

喜劇俳優。伊勢(いせ)松阪に生まれる。本名大松福松。最初歌舞伎(かぶき)役者で中村時代(ときよ)と称していたが、五郎に誘われ1904年(明治37)曽我廼家劇創立に参加。芸風は淡々として軽妙洒脱(しゃだつ)、あくの強い五郎と好対照であった。14年(大正3)の五郎の渡欧を機に独立して一座を組織したが、21年病に倒れ、一時舞台に復帰したものの、再度倒れて引退後まもなく没した。筆名和老亭当郎(笑うて通ろう)または和老亭倉三(暮らそう)。

[向井爽也]

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